13tanigawa 谷川岳にも春の兆し
  2013.03.20

この冬・・・厳冬で北国は大雪、里で凍死もあった滅多にないような記録的な寒さの冬・・・積雪量も記録的だったのです。

しかし2月の声を聴いたとたんに、度重なり日本海側を通過する発達した低気圧・・・通過に伴う南風・・・春の嵐。

こんな状況でのんびりしていては山の雪が溶けてしまいます。

そんなわけで谷川岳を狙ってみたのです。

しかしそこは上越国境・・・谷川岳・・・3月と言えど一荒れすれば人の存在など無に帰してしまう山なのです。
3月20日と日を定め、連日天気予報と睨めっこの毎日が続いたのです。


いよいよ山行前夜・・・なんとも微妙な空模様・・・国境の「南側」は曇りから雨・・・「北側」は晴れ間が・・・

お得意の希望的観測とお馴染みラテン系日本人の特性で、行ける所まで・・・
それでも晴れ女神様のご加護を期待しつつ、早朝4時筑波を発ちます。

高速走行中にはポツポツと雨が・・・着いた水上は小雨模様です。

きっと雲海の上は晴れ間だよ・・・と仕度を整えゴンドラの人となります。

天神平に到着すればガス気味ながら多少明るい空模様です。

それにしても雪が悪い・・・腐ってザクザクです。



そんな悪い雪を踏み抜きに気をつけながら田尻尾根への急斜面をアルバイトです。
腐った雪にいたずらに体力を奪われていくのです。



田尻尾根にたどり着けばガスも上がって、谷川山頂が大きな姿を現してくれます。

やはり国境の北側は晴れなのでしょうね・・・

前回と比べても積雪量が少ないのです。

雪は重くトレースを外せば腿まで踏み抜きます。
なにやら左足を踏み抜いた時に違和感が・・・後の行程で痛みに変わってきたのです。

このギャップは冬季天神尾根での危険個所・・・慎重にアイゼンを利かせ通過していきます。
もし滑落すれば左右切れ落ちていてまず止まりませんから。



悪雪のトラバースも神経を尖らせ切り抜けていきます。

そして熊穴沢の頭・・・避難小屋・・・すっかり屋根が出ています。
例年は雪の中なのにね。

さてここからはいよいよ急傾斜の尾根を登っていきます。



幸い気温は高く、そして微風・・・穏やかなハイクアップです。

天狗の休み場を過ぎれば俎ーがその険しい姿を現してくれます。

雲も薄くなりいよいよ青空が顔を出してくれたようです。



西黒尾根には大きな雪庇と底雪崩が遠望されます。

広大な雪面を単調な登りに堪えて一歩一歩山頂に近づくのです。

しかしこのあたりで踏み抜きで痛めた左足に違和感が・・・痛みに変わってきたのです。
どうやら軽い肉離れを起こしていたようです。



俎ーの絶景に慰められ、美しい天神尾根に後押しされ、痛みを忘れながら山頂を目指します。

だって山頂まで本当にもう一投足なんですから・・・



最後の急登が尽きて肩の広場に到着です。

穏やかな傾斜を肩の小屋には寄らずに直接山頂を目指します。



トマの耳には立派な雪庇が出来ています。
もう少しでマチガ沢に崩壊していくのですね。

苦労の果て山頂に到着・・・メンバーの笑顔が・・・
左から・・・つか先生・よっしー・HIBARI・ドラ吉・・・の素敵なメンバー・・・カメラマンはBAKUでした。



稜線の先にはオキの耳(トマの耳と双耳峰を形成しています)。

天国の景観に時間を忘れ佇むメンバー・・・



肩の小屋で風避けをしながら、ランチタイムです。
おかず?・・・勿論・・・絶景に舌鼓なんです。

おやおや・・・イワヒバリ・・・目を楽しませてくれたのです。

雪山の特性で下りは快速・・・尻セードを交えて高速下山です。

しかし腐った雪で痛めた足に負荷がかかり心配です。
慎重に景色を堪能しながら、心にブレーキをかけ下山していくのです。



急斜面のトラバースは腐りきった雪・・・バランスを保ちながらなんとかクリアーです。

そして尾根の危険個所・・・天神ギャップ・・・それでも帰路は登りで安心だったようです。

穏やかな天神尾根・・・田尻尾根から見返り谷川岳を心に刻みました。


天候の変化に一喜一憂した谷川岳・・・

ホワイトアウトに備えGPSも装備し、雪山装備一式、レスキュー装備もしっかりザックに詰めていたのです。

決して行き当たりばったりの計画ではありません。
最大到達制限時間は13時設定、撤退歓迎企画だったのです。


素敵なメンバーと素晴らしい雪山、心とメモに綴って終了です。




よっしー撮影のBAKUの画像・・・ありがとう・・・






・天神平(8:00)〜田尻尾根(8:30〜8:40)〜避難小屋(9:25〜9:35)〜肩の小屋(11:30)〜山頂(11:40〜11:50)〜肩の小屋(12:00〜12:20)〜避難小屋(13:35〜13:45)〜天神平(14:30)

ルート図(地図画像をクリックすると拡大画像になります)