12tubameyuki 初冬の燕岳・・・素晴らしい雪山にて・・・
  2012.11.24〜25

雪の季節・・・北アルプス燕岳・・・

12月に入ってしまうと登山口、中房温泉までの林道が閉鎖され4時間以上の車道歩きが強いられます。
しかし11月の勤労感謝の連休までは林道も通行可能で比較的楽に雪山を楽しむことができるのです。

燕岳の登頂ルートになっている合戦尾根は北アルプスの中でも雪崩、滑落の危険も少なく比較的安全に登頂でき、雪山では初心者向きの登山ルートとなっています。

問題は天候・・・この時期はミゾレ、降雨の可能性もありそれが低体温を引き起こす可能性が高く天候判断だけには注意をはらって計画していました。

当初、23〜24日で計画していましたが直近の気象判断で一日ずらして24〜25日へ変更したのです。
それが幸いしたのか、晴れ女神様のご加護か・・・滅多にないような好天の中行動できたのでした。

人間とは勝手なもので好天過ぎて雪山の激しさが感じられずちょっと感動が無かった・・・なんて言ってはいけませんよね。

前夜安曇野にインして早朝に中房登山口に到着すれば先輩のつかさんと会うことができました。
申し訳なかったのですがこれ幸いとパーティーに加えてもらい一路燕岳へ向かうのであります。

前夜に降った淡雪を踏みしめて合戦尾根を登って行きます。

この時期にしては雪が多く登山口からしっかり雪道になっています。



早速お気に入りの4本爪軽アイゼンを装着して歩き出します。

4本爪アイゼンを馬鹿にしてはいけませんよ・・・
傾斜のゆるい登山道、凍結した林道ではその効果は際立っているのですから。

なんといっても装着感が無く、引っかからず、そして携行にも嵩張らず、その割には安全に歩行できるのです。

結局4本爪アイゼンで富士見ベンチまでハイクアップし、そこからは12本の前爪アイゼンに履き替たのです。

つか先輩のリードで汗もかかず、息も上がらず、快調に高度を稼ぎます。

雪山では汗かきは低体温の元、一番危険なことですから。



さて急登の割には疲れ知らずですでに営業を終えた合戦小屋に到着です・・・早速ランチタイムにしましょうね。

伊勢のメンバーさんが担いできてくれた・・・赤福・・・美味しかったこと・・・ご馳走様でした・・・

さて多少のアルバイトで三角点まで上がれば待望の「槍」がお目見えです・・・

ここからは夏路のトラバースルートは閉鎖されており、冬路の尾根ルートを展望を味わいながら辿っていきます。
冬路は山荘スタッフさんの努力でしっかりトレースがつけられ、要所にはワンドがあり感謝しながらの行動なのです。



ここからは説明は不要ですよね・・・画像で想い出に浸っていきましょうね。



多少急斜面もありますが雪質も良く滑落の危険も少ないようで、実際には6本爪アイゼンとストックでこと足りています。

しかしそれは今日のような条件の良い雪山でのこと・・・
雪面がクラストしていれば前爪アイゼンを蹴りこんでの行動になります。

もちろん確保と滑落停止のためピッケルは必携・・・

それに降雪直後ならばワカンでのラッセルも覚悟しないといけません・・・

そうです・・・ザックはどんどん重くなっていくのですが、それに耐えてこそ雪山の醍醐味があるのです。



大きなパノラマを味わっているうちに主稜線に到着したようです。

ユーモラスなゴリラ岩を回り込んで燕山荘に到着します。

あれ〜〜〜〜〜山荘は大混雑〜〜〜〜〜

やっとチェックインを済ませ、部屋に荷物を置き燕岳山頂を目指します。

明日の天気はわかりませんから、さっさと頂を踏んでおきましょうね。

また会えましたね・・・イルカちゃん・・・夏休み以来の再会でした。


フォレストさん撮影のメンバー


山荘スタッフさんの設置したワンドのおかげで外すことなくルートをたどります。

山頂は笑顔が似合いますね・・・・・
みんなでニコニコ・・・・・

しばし大パノラマ鑑賞会です・・・



美しい思い出を刻みましょうね・・・



主稜線は強風帯で、見事な・シュカブラ・が見られました。
シュカブラ・・・風紋・・・ですよね・・・



山荘は混みあっていましたが部屋は比較的ゆったり、寝床もゆったり・・・

食事もたっぷり・・・美味しかった・・・



さて翌朝です・・・雲一つ無い大晴天・・・

日の出・・・実に荘厳です・・・いつもはテントの中からチラッとみやるだけなのにやはり感動してしまいました。

モルゲンローテです・・・曙光をあびて茜に輝く峰々・・・



富士山・・・心の原点ですね・・・

岳人の憧れ・・・槍ヶ岳・・・

それぞれ曙光に輝いているのです。



稜線からのお月様・・・神秘的なんです・・・

お馴染みの槍穂高・・・気高いね・・・

♪雪渓渡ってガレ場を越せば前に聳える槍穂高〜〜〜♪なんて思わず口ずさみます・・・



心と瞼にしっかり絶景を刻みこみ想い出の燕をあとにします。

稜線直下は急斜面で、滑落しないよう慎重に降下していくのです。



雪の少ない路はアイゼンを引っ掛けないようにゆくっり慎重に降りていきましょう。

あっ誰が置いたのか可愛い雪だるまが・・・想い出の一枚です。


前日23日は前線の通過で荒れた空模様・・・そして下山翌日は発達した低気圧の通過で大荒れの北アルプス・・・
わずかこの二日間だけの晴天だったようです。

おごることなく心に言い聞かせましょうね・・・晴天の雪山は稀に微笑む女神様の美しいお顔・・・
でも本当の雪山は牙を剥いて迫ってくる・猛烈な吹雪・ホワイトアウト・恐ろしい「悪魔の顔」だということを・・・


メンバーに加えてくださったつか先輩、フォレストさん、ドラさん、伊勢のSさんご夫婦、HIBARIさんありがとうございました。


瞼と思い出日記に綴って素敵な山旅の終了です・・・


フォレストさん撮影のメンバーの笑顔


・駐車場(7:00)〜中房登山口(7:15〜7:30)〜合戦小屋(11:50〜12:30)〜三角点(13:00〜13:10)〜燕山荘(14:15〜15:00)〜燕岳(15:35〜15:45)〜燕山荘(16:15)
・燕山荘(8:00)〜三角点(8:40)〜合戦小屋(9:00〜9:15)〜中房登山口(11:30〜11:45)〜駐車場(12:00)

ルート図(地図画像をクリックすると拡大画像になります)